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T-34 maniacs

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ソ連重突撃砲 SU-100　戦中型と戦後型の相違点 　（青木伸也）

　余談ですがUZTMの日本語訳は資料によって「ウラル重機械製作工場」だったり「ウラル重機械工具製造所」だったり「ウラル重工作機械工場」だったりして（微妙に意味が違うでしょ）よくわかりません．

　資料としては，PANZER1987年11月号のSU-122/85/100に関する特集記事がよくまとまっていると思います．SU-100の実車写真や折り込み図面も比較的充実していますが，ただしほとんどが戦後型で，しかもチェコスロバキアで生産されたものです．
　戦中型のSU-100の写真は，モデルアート別冊「T-34，KV戦車シリーズ」に２ページに渡って掲載されており，参考になります．

　ここで，ソ連で生産された戦中型と戦後型，そしてチェコスロバキア生産型の外観的な相違点を挙げておきます．ただし「戦中型は○○で，戦後型は××である」と書いた場合でも，「そのような傾向がある」という程度の意味であり，戦中型の後期には××仕様になっている可能性もありますし，逆に戦後型の初期は○○仕様であるかもしれません．

• 車体前端は，戦中型では三角断面の棒材を熔接した構造になっていますが（戦中型のT-34-85と同じ），戦後型およびチェコスロバキア生産型では前面上部と下部の装甲板を直接熔接しています．
• 戦後型およびチェコスロバキア生産型では，戦闘室右舷側面に大型の雑具箱が装備されています．
• チェコスロバキア生産型では戦闘室左舷側面にワイヤーロープホルダー（あるいはそれ用のマウントが４個）があります．
• キューポラのハッチは，戦中型では２枚開き（T-34-85の1944年型と同じ）ですが，チェコスロバキア生産型では１枚開き（1945年に入ってから生産されたT-34-85と同じ）です．ソ連の戦後型では２枚開きのようですが，はっきりしません．
• 戦闘室上面後部のハッチのヒンジに，チェコスロバキア生産型では火かき棒状のバランス用トーションバー（と思うが機能については確信が持てない）がありますが，戦中型にはありません．戦後型では不明．
• 戦闘室上面左後ろの角に，戦後型・チェコスロバキア生産型ではアンテナのマウントがありますが，戦中型にはありません．
• 戦闘室後面に，戦中型では上面とつながった小ハッチ（SU-85と同様）がありますが，戦後型・チェコスロバキア生産型にはありません．
• 戦闘室側面と後面の接合部の熔接ラインは，戦中型では上端を少し噛み合わせたようになっていますが，戦後型・チェコスロバキア生産型では単純な直線の熔接ラインが後面にあります．
• 戦闘室後面と機関室側面の間に，戦後型では三角形の板が熔接されていますが（SU-85と同様），戦後型・チェコスロバキア生産型では単純に接合されています．
• チェコスロバキア生産型では機関室左舷側面後端にフォーメーションランプの張り出しがあります．
• 車体後面の排気管カバーは，戦中型・戦後型では普通のT-34と同じですが，チェコスロバキア生産型では上部が三角形で側部が波形になった特殊な形状のものが使われています．
• 車体後端のヒンジは，戦中型・戦後型では小型の物が２ヶ所（ウラル戦車工場で生産されたT-34-85と同様）ですが，チェコスロバキア生産型では大型のヒンジが２ヶ所となっています．
• 転輪は，戦中型ではディスク部に軽め穴が無くゴム縁にも穴や溝の無いものが主に使われているようです．（その他の転輪を履いている場合もある．）
  　戦後型では戦中型と同じタイプの他，T-54/55と同形の転輪（直径が異なるという説もあるが未確認）を履いている場合もあります．チェコスロバキア生産型では軽め穴無し・ゴム縁に穴溝無しが一般的です．戦後型・チェコスロバキア生産型ではハブキャップの中央に丸いポッチが付いているようです．

(1996/Aug/05)
(1998/May/03加筆修正)